茨城県大子町新庁舎
Daigo Town Hall, Ibaraki
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遠藤 克彦(遠藤克彦建築研究所)
敷地は八溝山系に囲まれた高台にあり、中心市街地を視認できる場所に位置する。日射負荷や風雨による影響を考慮した大屋根の庁舎として、大子町の自然と呼応する森のような風景の創出を試みた。力の流れや歩留まりを意識した材寸の設定、任意準耐火を成立させる平・断面計画、木架構に合わせた設備計画など、建築を形作る各要素の統合を意識することで、木架構が自律的に存在する様相の表現がなされたのではないかと考えている。
Katsuhiko Endo (Katsuhiko Endo Architect and Associates)
The site is located on high ground surrounded by the Yamizo mountain range, with a clear view to Daigo’s town center. This government building’s large roof protects it against excessive solar heat gain, wind and rain, creating a forest-like atmosphere, for integration with its surroundings. Some key architectural elements include the choice of module dimensions to maximise efficiency of load paths and yield rate of local raw wood, its quasi-fireproof strategy, and the layout of facilities tailored to fit its structural framing. The careful consideration of all these elements creates this structure’s autonomous nature.
Architect
遠藤 克彦
(遠藤克彦建築研究所)1970年横浜市生まれ/1992年武蔵工業大学(現・東京都市大学)工学部建築学科卒業/ 1995年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了後、同大学院博士課程進学/1997年遠藤建築研究所設立/2007年遠藤克彦建築研究所に組織改編/2022年国立大学法人茨城大学大学院理工学研究科都市システム工学専攻教授
DATA
名称 茨城県大子町新庁舎
所在地 茨城県久慈郡大子町大字北田気662番地
主要用途 庁舎
建築主 大子町
●設計
設計者:遠藤克彦
建築:遠藤克彦、樋口永、假屋良将、大野由*、関家茉莉花* /遠藤克彦建築研究所
構造:佐藤淳、末廣康介、張耕嘉、本田幾久世*、都筑碧、XUYILING*/佐藤淳構造設計事務所
設備:
高橋翔、遠藤和広、野口亮太郎/EOS plus
知久昭夫、知久岳/知久設備計画研究所
川村政治/川村設備研究所
監理(建築):遠藤克彦、樋口永、関家茉莉花*、大野由*/遠藤克彦建築研究所
監理(構造):佐藤淳、末廣康介、張耕嘉/佐藤淳構造設計事務所
監理(設備):
高橋翔、遠藤和広、野口亮太郎/EOS plus
川村政治/川村設備研究所
(*元所員)
●施工
建築・設備・電気・周辺外構:株木建設
●面積
敷地面積:25,888.70㎡
建築面積:3,928.22㎡
延床面積:5,074.94㎡(附帯建物除く)
建ぺい率:15.18%(許容:60%)
容積率:19.31%(許容:200%)
階数:地上2階
●高さ
最高の高さ:8.955mm
軒高さ:8.850mm
●構造
木造(準耐火建築物 45 分、一部2 時間)
●期間
設計期間:2018年6月~2021年2月
施工期間:2021年2月~2022年8月
●掲載雑誌
「GA JAPAN」179号・182号、「月刊建築技術」2023年3月号、「新建築」2023年4月号、「近代建築」2023年5月号、「公共建築」第65巻第224号