対馬博物館
Tsushima Museum
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大屋根の下に群配置された切妻型ヴォリュームの素材が積層する
写真：阿野 太一
能勢 修治、大橋 航（石本建築事務所）
国境の島で歴史の重みに対峙する建築
対馬は古代より大陸との交流の拠点となってきた。島内の風景には至る所に歴史の痕跡が残る。ここでは「交流・歴史」が現代的な日常とは異なったスケールで存在する。
史跡指定地、金石城の石垣の上を敷地とし、宗氏ゆかりの5万点を超える重要文化財「宗家文庫資料」を所蔵する博物館。「金石城の石垣の上に建つ大屋根」「現代の御文庫を中心に据えた護る構成」「マテリアル・ディテール、物質性」により、歴史性を受け止め、時間に耐える場をつくる。
Shuji Nose, Kou Ohashi (Ishimoto Architectural & Engineering Firm, Inc)
Tsushima, an ancient continental exchange hub, palpably retains its historical imprints. The museum, atop Kanaishi Castle’s stone walls (a historic site), displays over 50,000 Soke clan treasures. Its architecture, merging a vast roof, protective structure, and detailed materials, embodies and preserves the historical essence.
南西側外観。溶融亜鉛メッキステンレス鋼板立平葺き、先端は厚み6mmの鋼板
写真：阿野 太一
金石城の石垣に沿う3つの大屋根
写真：阿野 太一
歴史性と物質性
写真：阿野 太一
対馬独自の自然・地理・民俗学
写真：阿野 太一
1階平面図
Architect
能勢 修治
(石本建築事務所)1960年 長崎県生まれ／1983年 早稲田大学理工学部建築学科卒業／1995年 早稲田大学大学院理工学研究科建設工学専攻建築学専門分野修士課程修了後、石本建築事務所入社／現在、同社執行役員プリンシパルアーキテクト／2009年日本建築家協会賞／2008年～2021年JIA優秀建築100選／2009年・2021年BCS賞／2009年・2021年日本建築学会作品選奨／2005年～2024年日本建築学会作品選集／2004年～2021年グッドデザイン賞受賞ほか多数
大橋 航
(石本建築事務所)1981年大阪府生まれ/2007年東京大学大学院新領域創成科学研究科修了後、石本建築事務所入社/2013 JIA優秀建築100選/2014年日本建築学会近畿支部新人賞/2017年JIA優秀建築100選/2018年日本建築学会作品選集/2018年日本建築学会新人賞/2018年グッドデザイン賞/2024年日本建築学会作品選集
DATA
名称 対馬博物館
所在地 長崎県対馬市
主要用途 博物館
建築主 対馬市
設計
設計者：石本建築事務所
建築：能勢 修治・大橋 航／石本建築事務所
構造：原健一郎・井口 忠・岡本安美*・加藤信一／石本建築事務所
設備：関根能文・中島静・岡崎翔太*・田原雄一郎*／石本建築事務所
監理：石本建築事務所
施工
建築：
Ⅰ工区 星野・武末・三重特定建設工事共同企業体
Ⅱ工区 内山・昭大特定建設工事共同企業体
空調・衛生：九電工
電気：九電工
展示：トータルメディア開発研究所
面積
敷地面積：6,279.76㎡
建築面積：3,253.63㎡
延床面積：5,028.72㎡
建ぺい率：51.81％（許容：80％/60％）
容積率：80.08%（許容：400％/240％）
階数 地上３階
高さ
最高の高さ：17.470ｍｍ
軒高さ：10.056ｍｍ
構造 RC造・S造
期間
設計期間：2016年3月〜2019年7月
施工期間：
Ⅰ工区 2017年12月〜2019年7月
Ⅱ工区 2020年1月〜2022年3月
掲載雑誌 「新建築」 2022年11月号 掲載、彰国社ディテール2023年238号掲載